私は、人生を楽しむのが下手?

彼女は「こういう場所では中身のある会話なんて求めちゃダメなんだよ。ただその場の空気を楽しめばいいんだから」と笑い飛ばし、見事に非日常の波を乗りこなしていた。その姿を見ていたら、どんどん羨ましくなってきた。

ぐるぐる、ぐるぐる……。いいなあと思いながら、頭で考えすぎたまま、素直になれないまま、私は大疲弊して店を後にした。

ホストに口説かれたかったわけではない。ただ、あの場でちゃんと楽しそうだった女性たちが羨ましかった。

バカなのは、私のほう?

ホストに褒められて嬉しそうに笑っていたあの女の子たちの顔を思い出す。「そんなの嘘に決まってるじゃん」とスカしていた私は、何を得たんだろう。

何も騙されなかった。恥をかかなかった。馬鹿にされなかった。その代わり、90分間ずっとつまらない顔をして、ホストたちにも煙たがられていた。

じゃあなんでホストクラブなんて行ったのだろう? 何がしたいんだか意味がわからない。

私は、人生を楽しむのが下手なのかもしれない。