思いをどう浄化するか

今回の場合、幸せぐせはBです。もちろん大量ですから、神社やお寺にすべての絵を持ち込んでのお祓いやお焚き上げはできないかもしれません。その場合は、自宅や倉庫など絵の保管場所に神主さんやお坊さんに来ていただき、お祓いをして処分するというのが、現実的な方法になるでしょう。

Aの判断も理解はできます。けれど、親しい友人や親戚で形見分けするにしても、数点が限界。残った大量の絵をいつまでも保管しておくのは、現実的ではありません。良い状態で保存しようと思ったら、それなりに手間もお金もかかります。

故人が望んでいるのは、残された家族の幸せ。遺品のために生活が圧迫されるなんて、望んではいないはずです。「仕方なく」とっておくくらいなら、手放してしまったほうがいいのです。

お祓いには、「お父さん、絵を描いた思い出はあの世に持って行ってね」という思いをこめる意味があります。この世の人の思いは、ちゃんとあの世の人に届く。と同時に、あの世に物は持って行けないことも、亡くなった人はちゃんと気づきます。

この世の人、あの世の人、両者の思いを浄化させるためにも、お祓いをしてから処分する。そうすることで、生前の思い出の整理にもなり、亡くなった方への感謝の心も湧いてくるでしょう。それが一番のお父さんへの供養です。

ちなみに処分の時期は、いつでもかまわないと思います。早く実家を片付けなければならないなど、この世の事情がいろいろとあるでしょう。「あまりに処分が早いと父ががっかりするのではないか」と思うかもしれませんが、お父さんに聞くことはできませんから、結局判断に困ってしまいますよね。遺言がない以上、処分の時期は残された人が決めていいのです。お祓いをすることで、ひとつの区切りになるでしょう。

(イラスト:大野舞)