(写真:AdobeStock)
年齢を重ねると、「前はもっと楽にできたのに」と感じる場面が少しずつ増えてきます。歩く、立つ、座る、靴下をはく…そんな何気ない動作にも、実は股関節が深く関わっています。では、股関節は身体のどこにあり、どんな働きをしているのでしょうか。股関節ケアプログラム開発者の平井孝幸さんが、股関節の専門家・高平尚伸教授に、毎日の「できる」を支える股関節について基本から教えていただきました。

「股関節」って、そもそも身体のどこにある?

平井:50歳を過ぎる頃から、「股関節が硬くなった気がする」「脚の付け根に違和感がある」「以前より歩幅が小さくなった」といった声を耳にする機会が増えます。ただ、膝関節や足関節(足首)と違って、股関節は“ここです”と指をさしにくいですよね。そもそも股関節は、身体のどこにあるのでしょうか。

高平:一言でいえば、骨盤と大腿骨(大腿部にある骨)をつないでいる関節です。大腿骨のいちばん上には、丸い形をした「大腿骨頭(だいたいこっとう)」があります。その丸い部分が、骨盤側にある「寛骨臼(かんこつきゅう)」というくぼみにはまり込んでいます。ボールが深めのお椀の中に収まっているような形を想像すると分かりやすいでしょう。

(写真:AdobeStock)

平井:膝のように、外から形が見える関節ではないんですね。

高平:そうです。股関節は身体のかなり深いところにあります。場所としては、鼡径部(そけいぶ。脚の付け根)のさらに奥です。そのため、不調があっても「これが股関節の痛みなのか」と自分では判断しにくいことがあります。股関節の問題では鼡径部に痛みが出ることが多いのですが、殿部(でんぶ。お尻)や大腿部の前面、時には膝関節周辺に痛みを感じる方もいます。痛みを感じる場所と、原因となっている場所が一致しないこともありますので、症状の部位だけで原因を決めつけないことが重要です。