芥川家は文学サロン
まぁ、ここが芥川さんなの。万年塀と山茶花の木は昔のものなんですか。ほんとうに、ずいぶん立派な山茶花だこと……。
あの頃、芥川家は一種の文学サロンで、ずいぶん大勢の人が毎日出入りしていたんでしょう。
わたしはその末席に、ただ座らせてもらうだけ……だっただろうと思いますよ。
それでも、嬉しくて堪らなかったはずよ。ドキドキしながら、黙って下を向いて座っていたんでしょう。文学論に加わるなんていう、そんなことは飛んでもない話よ。
そう、そりゃあ売れっ子でしたもの。芥川の小説が雑誌に載るたびに読んだに違いない。何を、というのかは忘れましたけれども……。
