大きなピストルのような形状

スピーチジャマーは大きなピストルのような形状をしている。円滑なコミュニケーションを脅かす存在を倒す「武器」という意味を、この形に込めたとのこと。ピストルのようにトリガーを引くと、装置がオンになる。装置には話している人の声を拾うマイクと、向けた相手にしか音が聞こえない指向性スピーカーが搭載されており、約0.2秒後に本人に声を聞かせる作りになっている。

最大で30メートル離れていても聞こえるというので、理論上は、大きなホールで話している講演者に向かってもこっそり使えるはずだ。

(写真提供:Photo AC)

もどかしいのは、使う条件によって効果が変わることだろうか。

プロトタイプで「ニュースの音読」「自由な1人語り」の2パターンを試してみたところ、「ニュースの音読」をしている時のほうが話を妨害する効果が高かったという。また、大きめの声で話している時は、自分の声がしっかり聞こえるからか、あまり効果が見られなかったそう。

スピーチジャマーを開発した津田塾大学の栗原一貴教授はもともと、プレゼン上達のアドバイスをするシステムを開発していた。プレゼンをビデオで撮影して、話の速さ、つまずいた頻度、顔の向きなどを分析し、改善点を指摘するというものだ。

ただ、このシステムに「もっとゆっくり話しましょう」と指摘されても、実行に移すのはなかなか難しいことに気がついた。そこで、吃音の治療でも使われる遅延聴覚フィードバックが使えるのでは、と考えた。発話のペースを強制的に変更できるような装置があれば、と思ったことがスピーチジャマーの発明につながったのだ。