苦しみ
でも、あなたの場合、私はお手紙を前にして途方に暮れました。あなたの苦しみが私の苦しみになって、私の胸をしめつけます。
あなたは、ひたむきな白い心をもっていらっしゃる。その心が、ご主人の裏切りで引きさかれている……ご主人を愛しているのも本当、憎んでいるのも本当、あなたのおっしゃるとおりです。あなたは必死でご自分をみつめている。
「子供のためにがまんして……」とは私には言えません――一人の女として苦しみぬいているあなたには……。
私も、心のない人は、人間とは言えないと思っています。そして、心というものは、時には、知恵でも意志でも押さえ切れないことがあるものです。