私だったら……

「私だったら……」いま私があなたのご参考に言えるのは、それだけです。

私だったら――ひとまず別居をするでしょう。夫が何と言っても。二つの心をもつ人と夫婦生活をすることに耐えられないほど、その人を愛しているからです。あわないことで、自分の心をゆっくり静かに落ち着かせます。

時がたって、その人への愛がすっかり冷え切ってしまったら、はっきり離婚します。不幸な将来を送る子供たちへの母としての心づかいも、その時にならなければ、十分につくせないでしょう。

今のあなたの心は、まだ愛と憎しみの間をゆれ動いているように思えますから。ご主人の心を決めるためにも、その別居は必要だと、私は思うのですが。

(「毎日新聞」1969年11月21日)

※本稿は、『わたしの人生案内』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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『わたしの人生案内』(著:沢村貞子/中央公論新社)

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