「何度も自宅でやってみる」ことが大切
管理所によると、山の中で作業する人たちの間で「実際にスプレーを使ったことがない」という声が以前から上がっており、今回の研修を実施した。谷崎さんは「こうしたスプレーをうまく噴射したり、防護の姿勢を実際にとるためには座学の講座だけでは不十分で、座学と実技を組み合わせた訓練が必要になる。クマから身を守る対策は知識だけで理解してもいざというときにはなかなかできない。何度も練習して体で覚えることが大事です」と話す。
この研修会で筆者も実際にベルトを腰にまいて右側に練習用スプレーを引っかけ、とっさに取り出して噴射してみたが、10秒あまりもかかってしまい、とてもクマのスピードには間に合いそうにない。スプレーが有効だと頭ではわかっていても、実際に素早くできるようにするには確かに防災訓練並みに繰り返さないと体がついていかない。まして秋田には高齢者が多く、素早く噴射、という動きは至難の業だ。両手を首の後ろに回してうずくまる防御姿勢も「何度も自宅でやってみる」ことが大切だという。
さらに谷崎さんはこう呼びかけた。
「山菜採りなどの時には一人では山には入らないでください。一人で行ってしまうと助かる命も助かりません。誰かが一緒にいて通報などを手伝うことで助かったり、警察や消防が駆けつけたりできます。
あと、雨が降っている時などは犬の散歩やウォーキングも控えてください。それだけでも被害に遭うことを防ぐことができます」。