「もうすぐ寝たきりになる、どうしよう」

「もうすぐ寝たきりになる、どうしよう」

と母がしきりに訴えるようになりました。

『今だから笑える 笑えない介護の話』(著:岡田美里/小学館)

病気の進行を感じて不安になっていたのでしょう。普段はあまり感情を見せない人だったので、よほど不安なのだろうと最初は受け止めていました。

でも毎日毎日、ずーっと聞き続けていると私まで苦しくなってくるのです。

病院で担当医に相談すると、車いす生活になってしまうかもしれないけれど、いきなり寝たきり生活にはならないという見解でした。そのことを伝えても、母は「寝たきりになったらどうしよう」と訴え続けました。来る日も来る日も来る日も。

でも私にはどうすることもできません。聞いてあげるだけでいいのかなと思っていた時期もありましたが、次第に、

「私にどうしろというの?」
「この人は自分のことしか考えていない」
「実の娘に老後の面倒を看てもらえる自分は幸せだと、わからないの?」

といった思いが渦巻いていったのです。