秀吉についた「嘘」がブーメランのように返ってくる

(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)

秀長と秀吉は、それまでの家康の人生にはいなかったタイプの人たちです。だからこそ、どう接するべきなのか、どう戦うべきなのか、僕自身も頭を悩ませました。それだけ、あの2人には人を惹きつける魅力があったんだと思います。

第5回「嘘から出た実(まこと)」で家康は、まだ織田家の足軽にすぎなかった秀吉に「熱意が人を動かし、勝敗を決する」という、自分の考えとは正反対のでまかせを言います。そのセリフが第41回になって家康自身に返ってくる。脚本を読んだとき、「なるほど、ここにつながってくるんだ」と思いました。まるでブーメランのようですよね。

第5回の撮影では本当に緊張していました。まだ現場にも慣れておらず、仲野太賀くんや池松壮亮くんともあまりセリフを交わしたことがないなか、馬に乗りながら必死にセリフを言っていました。今は「もっとかっこよく言えばよかった」と思います(笑)。そのときのセリフが、何話も経って自分自身に返ってくるわけです。

大河ドラマは、過去の出来事がバトンのようにつながっていくところが面白い。1年半かけて撮影しているからこそ、そのつながりを感じられるのはうれしいですね。