実家のお墓に入りたい
婚家の墓ではなく、自分の母親が眠る実家のお墓に入ることを希望している母。ある日、そこへ一緒に出かけたところ、お墓が忽然と姿を消していたのです。
後日、お墓を管理している叔父が別の寺院墓地に改葬していたことがわかり、母は大変なショックを受けています。改葬には、ほかの親族の許可が必要なのではないでしょうか。
また、離婚した女性や未婚の女性が実家の墓に入るには、誰の許可が必要になりますか?
(59歳・会社員)
誰がどこのお墓に入るか、法律上の決まりはありません。婚家でなく実家のお墓に入る、もしくは離婚した人、未婚の人が実家のお墓への納骨を希望しても良いのです。
ただし、実際に納骨できるかどうかは、お墓を管理する墓地使用者(名義人)の了承が不可欠。お墓は「親族共有の財産」とのイメージを持たれがちですが、墓地の使用権はあくまで名義人にあります。
つまり質問者の叔父さんが実家の墓の名義人ならば、家族・親族の許可なく改葬を進めても問題ないのです。逆に名義人の許可がなければ、家族でも親族でも勝手にそのお墓に入ることはできませんから、墓の名義人とは、普段から良好な関係を築いておくことが大切です。
昨今では「婚家より実家のお墓に入りたい」という希望は珍しくありません。ただ、周囲の理解を得られず、実家のお墓に入れない。かといって、それでも婚家の墓にも入りたくないという場合は、前述した「永代供養墓」などで一人だけのお墓をつくるのも一案です。
近年は、墓じまいを急ぐあまり、周囲に十分な説明のないまま話を進め、トラブルになる例が多くみられます。質問者の叔父さんとしては、「長年にわたって墓を守ってきたのだから、自分が管理しやすいようにしたい」という思いがあったのかもしれません。折をみて改葬した理由を訊ねつつ、お母さんが悲しんでいるという事実を伝えてみてはいかがでしょうか。
大切なのは、法律や慣習だけで判断せず、それぞれの希望を尊重しながら、ご家族がなるべく納得できる形を生前のうちに話し合っておくことです。