不摂生が続いた20歳前後の頃。顔はパンパンで、肌も荒れがちだった(写真提供:山田さん)

「クローン病の疑いがあります」

そんな状態で迎えたある舞台の千秋楽の前夜、私は急性盲腸炎で倒れてしまいました。先生に頼み込んで点滴をぶら下げながらなんとか舞台をつとめあげ、幕がおりるや病院へ直行し、メイクだけ落として手術台へ。パンパンに腫れ上がった盲腸を取ったんです。

ところが、術後も依然として吐き気が消えません。次の仕事が迫っていることもあって、ひとまず退院し、2週間後には食レポで札幌に向かいました。朝からお寿司を食べ、ソフトクリームを食べ、ジンギスカンにメロンパン……の予定だったのですが、途中で吐き気と腹痛、悪寒に襲われてまたもや倒れてしまったのです。急いで帰京し、手術を受けた病院へ。いろいろな検査をしたけれど、悪いところはどこにも見つかりません。

すると、担当医がこう言ったんです。「確定診断ではないので、もっといろいろ調べる必要がありますが、症状を見るに、クローン病の疑いがあります」と。

クローン病、と聞いても、正直ピンときませんでした。ただ「難病指定されていて、特効薬はない」という言葉に、絶望的な気持ちになりました。家族のためにもっと働かなくては、と張り切っていた矢先のことです。それに、クローン病治療として処方されたペンタサという薬を飲んでも、何ひとつよくなる感じがしません。

落ち込む私を見かねて、友人が「どんな病気でも、ストレスが一番よくない」と沖縄旅行に誘ってくれました。デビューから8年にして、はじめてもらった休暇。精一杯楽しもうと出かけたのですが、滞在2日目で、やっぱり胃と背中の激痛で動けなくなってしまったのです。旅行はそのまま中止に。同行した友人の勧めで、「ゴッドハンド」と言われる東京の鍼灸師のもとへ直行することになりました。