大学入学の目的は

話を聞きながら、「目が見えなくなるかもしれないのに、体重が3キロ増えるほうが気になるってどういうこと?」と思わずツッコミたくなったが、佐藤さんのマラソン熱は燃え上がるばかりだ。

「これまで走ることをやめようと思ったことはないです。夫はそんな私をドン引きしながら見ていますけどね(笑)」

凝り性な性格だという佐藤さん。サークルに入って、皆でマラソン大会を目指すことに憧れを抱くようになり、4年前に通信制の大学へ入学。なんと陸上サークルを立ち上げてしまったという。

「大学入学は勉強ではなく、陸上サークルを立ち上げることが目的。私はマネージャーとして、若い学生たちを統括しています。夢は女子駅伝に出ることです!」

佐藤さんがあまりに楽しそうなので、途中から、思いとどまらせるのは難しい、と気がついた。もしかすると、彼女の周囲の人たちも同様の気持ちなのかもしれない。とはいえ「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉もある。やはり“ほどほどの”健康オタクでいることが、健康維持の秘訣なのだろう。今回3人の話を聞いて、しみじみとそう思った。


ルポ・《やりすぎ》健康オタクたちの「なんだか不調」顛末記
【1】体にいいはずが、うっかり"漏れる"現象に見舞われて
【2】ダイエットにお金をつぎ込むも、痩せたのはまさかの理由だった
【3】たとえ網膜剥離になろうとも、マラソンはやめられない