イラスト:泰間敬視

 

何ごともほどほどが一番──とは言うけれど、健康にいいと聞くとやめられなくなるのが人間の悲しい性。やめどきを見失った自称「通」たちのトホホな結果とは(イラスト=泰間敬視)

《佐川由美さん(49歳)の場合》

痩せることにお金と時間を費やして

多額のお金をつぎ込んでダイエットに励んだにもかかわらず、思ってもみなかった結果を迎えた人も。広告代理店に勤務する佐川由美さん(仮名)は、子どもの頃から太りやすい体質で、さまざまな方法を試してきた。

「わが家は太りやすい家系で、家族はみな肥満がもとでさまざまな病気やケガで苦しんできました。美容の面から考えても、太っているよりは痩せていたほうがいいですしね。そのため社会人になってからはいっそう、エステで痩身コースを組んだりダイエットサプリを飲んだりと、痩せることにお金と時間を費やしてきました」

30歳になるまでは、ややポッチャリ体形だった佐川さん。しかし30代半ばに地元の大阪から東京に転勤になったことで、体重が15キロも増えてしまう。

「慣れない環境でのストレスが引き金になって、暴飲暴食をした結果でしょうね。人間ドックでD判定がつき、医師から痩せるように言われました。とはいえ、食べることとお酒を飲むことが何より好きなので、それらを諦めるのは絶対に無理。しかもストイックなことが苦手なため、スポーツジムの類も続かない。となると、あとは簡単に時短でできる、痩身アイテムを使うしか手がありません」

購入したのは、電気でお腹のぜい肉を刺激するベルト、寝転がって両足を乗せるだけで金魚運動ができるマシン、開閉脚で下半身を鍛える器具などなど。なかには10万円近くしたものもあったそうだが、効果のほどは?