絶望のひとりぼっちな気分

最近は“自分”をよく考えるようになった。そのとき思うのが、ずいぶんと世間が狭くなってしまった気がするということ。家の外に出かけるのは健常なときに比べれば10分の1以下。人と会うのなんかきっと100分の1以下になった。1人で家にいることが多く、寂しいのに胸の奥に仕舞い込んで忘れたふりをする。ボクの場合、本当に生死をさまよっていた時代をあまり覚えていない。

でも最近はやっかいだ。考える力が戻って、孤独を感じる。そして、仕事を思うようにできないジレンマ。家族が無事に過ごしているのかという心配。ベッドから動けないという取り残された感…考えることが怖くなる。普段のボクは、ヘルパーさんや往診の先生が来たり、原稿を書いたり、結構忙しくしている。けれど、ある拍子にその負のループに陥る。

絶望のひとりぼっち。動かない体を懸命に動かそうと試みるが、思いを巡らせているうちに現実が重たくのしかかる。「ああ、到底無理だ」。そんな、絶望にも似た気持ちになる。家族は苦労しているだろうな…と頭の中で考えていくうちに怖くなっていく。「どこかに消えてなくなりたい」とさえ思う。

そして、「何を甘えているんだ!」と自分を戒める。そこでも家族の顔がちらつく。これ以上は家族に悲しい思いをさせてはならないと思い直す。動かない体と脳を全開にして、「今できることをやるしかない!」と気持ちを踏ん張らせる。
(2017年12月27日)