魚や野菜は積極的に加工品は控えめに

栄養素を補うためには、食事の見直しが必須です。なかでも積極的に摂りたいのが、魚介類や野菜類。

「ビタミンDはサケや青魚に、亜鉛は、貝類ほど多くはありませんが煮干しなど小魚に、マグネシウムは未精白の穀類のほか、緑の野菜に多く含まれています。また、閉経により分泌量が減少する女性ホルモン・エストロゲンに似た働きを持つイソフラボンが豊富な豆類や、男性ホルモン・女性ホルモンの原料となる『DHEA』というホルモンを多く含む里芋なども意識して摂りたいものです」

効果的な摂取法は、のちほど紹介します。一方、控えたい食品も。

「加工食品やインスタント食品などはリンを含んでいるものが多くあり、過剰に摂取するとリンが血管内で石灰化して沈着したり、骨をもろくしたりします。また、市販の菓子類などには、動脈硬化を招く恐れがあるトランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングなどが使われている場合が多い。これらの過剰摂取に気をつけるとともに、購入時は原材料の成分表を確認して、リンやショートニングなどが使われていないものを選びましょう」

《摂りすぎ? 減らしすぎ?コレステロールを含む食材》

「コレステロールを多く含む卵やエビ、イクラなどは控えるべき」と思っている人も多いのでは? コレステロールは体内で合成される脂質で、食事から摂取する分については影響が少ないことがわかっています。

そのため「日本人の食事摂取基準2015年版」(厚生労働省)では摂取制限を撤廃。最新の「2020年版」では、脂質異常症の重症化予防の観点から摂取量が1日200mg未満と設定されました。

満尾先生によれば、「コレステロールはホルモンやビタミンDの材料になるほか、脳神経細胞の働きに欠かせない栄養素。コレステロール値をむやみに下げるのは危険です。摂りすぎは禁物ですが、健康体であれば制限する必要はないでしょう」とのこと。

ただし、脂質異常症の人などは医師に相談を。