左から小泉今日子さん、重松清さん、行定勲さん

いい作品との出会いが新しい力になるなら

小泉 コロナ禍が続き、多くの人が頑張ることに疲れたと感じている。そんなときこそ、いい映画を観た、いい演劇に触れた、いい本を読んだ、ということが励ましになるはずです。誰かとのおしゃべりのきっかけや、息抜きにもなる。

行定 そういう人たちがいるとわかれば、僕たちも次に進める。作品をつくり続けるしかないな、と思わせてくれます。

小泉 海外の学者さんが言った「コロナ後は利他的な世界になる」という言葉も心に残っています。

行定 それ、いいですね。そこには他者との連帯もあるし。

小泉 さっき、横のつながりという話が出たけれど、どんな人も必ず誰かの役に立てるし、みんながそう考えると、本当に素敵な世の中になるだろうと思います。

行定 先の見えない不安に襲われている今だからこそ、芸術やエンターテインメントがやれることをみんなで考えながら、前に前にと進んでいきたいですね。

重松 厳しい状況にあって、未来を見つめて力強く動き続けているお二人に話をうかがい、僕もたくさん勇気をもらいました。