イラスト:大塚砂織

飲食店開業の敷居が低いタイ

9月4日まで帰国者を除く国内の新型コロナウイルス感染者がゼロ、という日が3ヵ月以上続いたタイ。今もマスク着用は義務付けられているが、徐々に日常生活を取り戻しつつある。そんなタイも、感染者の多かった5月までは、不要不急の外出を控える人が大半だった。

だが、その間も不思議と賑わっていたのが、製菓食材店。普通のスーパーですら人が少なかったのに、製菓専門店だけが混んでいて、ソーシャルディスタンスはどこへやら、レジも長蛇の列。収入が減ったり、時間ができたりした分、お菓子を作って小遣い稼ぎをしようという人が急増したのだ。

もともと、タイでは飲食店を始めるのが簡単で、ある日突然、家の前でカレーを売り始める人もいるし、屋台を出す人もいる。店舗を構える場合は食品衛生の講習会への参加が求められるが、屋台なら不要。とりあえず、路上で販売してみてから店舗を出すことを考える人もいる。