「和漢の香り焼きカレー」。和漢の生薬と、レモングラス、コリアンダー、クミン、カルダモンなどのスパイスを効かせたカレーに、大和牛、ホタテ、えび、大和野菜をトッピング。ご飯は山梔子(サンシシ)を使ったクチナシライス。自然薯、奈良漬け、味噌汁、ヨーグルト風味の「飛鳥のなめらかプリン」が付いて1800円。単品980円

 

奈良の美味を優雅な個室で

ホテルのオープンラッシュに沸く奈良にあって、最高の場所に今年6月、お目見えしたホテル「ふふ 奈良」。奈良公園・鷺池のほとりに佇む、墨色を基調にした建物は隈研吾氏のデザイン。日本庭園を望む別棟のレストラン「日本料理 滴翠」は個室を充実させ、早くもランチスポットとして賑わっている。

店内は和食と鉄板焼きに分かれ、地産地消がテーマ。奈良にゆかりが深い和漢植物や大和野菜、大和牛をふんだんに使い、昼は和洋のセットメニューを十数種揃える。

一番人気は、大和当帰(トウキ)や芍薬などの生薬と、レモングラス、コリアンダーなどの香辛料をミックスした、体に優しいオリジナルの薬膳カレー。斬新な盛りつけの天丼でも大和の食材が楽しめ、さらにすべてのランチセットに自然薯のとろろとプリンが付く。

スタッフに勧められてカレーにとろろをかけると、コクが生まれ、マイルドな味わいと化す。日本最古のチーズと言われる飛鳥時代の「蘇(そ)」をイメージして作ったというプリは、まろやかな甘味とヨーグルトの酸味が感じられ、後味が爽やか。

「奈良の季節の野菜の天麩羅丼」。海老と独特の香りの大和当帰の葉の天ぷらと天丼を組み合わせ、和漢の植物、新鮮な地産の野菜を楽しめるランチ。天丼にもとろろが付き、かけると味に変化が生まれる。セットで1800円。単品980円

個室から庭園や鷺池を愛でながら四季の移ろいを感じ、奥深い大和の食文化や豊かな食材の魅力を知ることができる。