清水 犯罪ものを作品にするときってお祓いに行ったりするの?

宮藤 それで言うと、『マクベス』は裏切りとか暗殺シーンとかが満載だから、海外では「マクベス」という単語を口にするのも不吉だと避けられてるらしいんですよ。

清水 日本でいう『四谷怪談』みたいな感じだね。

宮藤 僕、新感線の公演で『メタルマクベス』というのを書いたことがあるんですけど、途中でパソコンがぶっ壊れて。

清水 え、どれくらい飛んだの?

宮藤 1幕の半分くらいのデータがなくなっちゃって。仕方ないから思い出しながら書いたんですけど、それ、「マクベスの呪い」だと思うことにしました。本当だったら怖いですよね。

古田 おいらはいまおとなしくしてるけど、昔はお祓いの最中にずいぶんふざけたよ。お稲荷さんに向かってみんなが頭下げてるとき、「コンコン!」とか言って。(笑)

清水 もう、やめなさいよ。いるのよね、こういう男子。(笑)

古田 宮司さんの節回しとか、すげぇおかしいんだもん。劇団員全員を読み上げる宮司さんとかいてさ、うちの劇団なんてみんな名前が名前じゃん。「フランキ~仲~村、インディ~高~橋、木内~黒社会」。ふざけた芸名つけちゃダメだなってこういうとき思うね。

宮藤 僕もタイトルでありますよ。「トゥ~ヤング~トゥ~ダイ~若くして~死ぬ~」って。(笑)

清水 それにしても、やっとこうして皆で一緒に稽古できるようになってよかったね。早くお客さんも満員で呼べるといいな。

宮藤 遠隔の打ち合わせもなかなか不思議ですからね。気がつくとZoomに10人くらいが参加してるんですよ。だけど最初から最後まで、一言もしゃべらない人がいたりする。

古田 かえって気になるよな。

宮藤 10人も映ってて、一言もしゃべらないこいつは誰なんだろう。もしかしたら、まったく関係ないヤツなんじゃねえか、みたいな。

清水 またドラマできそう。(笑)