4000円の魚のコースのメイン「コショウ鯛のポワレきのこのリゾット」。ポワレとリゾットを絶妙なタイミングで仕上げた一皿。3種類のきのこ入りのリゾットは、香りや食感が楽しめるように滋賀県産の白米と長野県産の15穀米をブレンド。ムール貝と焼き野菜を添え、ボリュームたっぷり

 


産地直送の素材をふんだんに

20年6月に京都の繁華街・烏丸から、御所北の閑静な住宅地に移転した一軒家レストラン。木々のアプローチを抜けて店内に入ると、ダイニングの壁にはアートが飾られ、個人宅のようなアットホームな雰囲気。ビルの中のクラシックなしつらえの前店舗と対照的で、長年通う常連客にも居心地がよいと好評だ。

コースのパスタ「牡蠣と九条ねぎのカルボナーラ」。12月から旨味が増す浦村の牡蠣は九条ねぎの甘みと好相性。ほかにスープ、前菜の盛り合わせ、デザート、ドリンクが付く。5000円のコースは熊本産赤牛のローストか炭火焼がメインに

 

お店は櫻井康行シェフとソムリエでマダムのやよいさん夫婦が切り盛りする。ランチには魚か肉の2コースを用意。「ゆっくり過ごされるお客様が多かったので、月から品数を増やしました。魚料理にはリゾットを添え、仕入れる魚によって味も仕立ても変えています」とシェフ。

料理には契約農家から届く京野菜や有機野菜、産地直送の魚介をふんだんに使っている。昨年12月の魚コースのメインはコショウ鯛のポワレとムール貝の出汁で炊いたきのこのリゾット。上に散らした唐墨やピスタチオとともに食すと旨味と香味が増し、味わいが深まる。パスタはミルキーな鳥羽市浦村の牡蠣と九条ねぎをカルボナーラに。絶妙な火入れの牡蠣と濃厚なソースの組み合わせで洗練された一皿に仕上げている。

和食が充実した京都だが、この空間と料理は値打ちあり。街中から足を延ばしてみたくなる。

壁にはアートが飾られ、個人宅のようなアットホームな雰囲気の店内