米山 後日、僕からツイッターのダイレクトメッセージを通じて「今度、ご飯でもどうですか?」って誘ったよね。そうしたら佑月さんから「これはデートの誘いですか?」と返信があった。

室井 米ちゃんは「そうです」って返事をくれた。私はその勇気にほだされて、穴あきジーンズじゃなく、あえてきちんとしたワンピースを着て出かけたの。米ちゃんは「これはデートの誘いですか?」と聞かれてどう思った?

米山 聞かれる以上、脈はあるのかなと思って、ちゃんと答えました。(笑)

室井 楽天的だなぁ(笑)。ストレート過ぎるとドン引きしちゃう男性もいるんだけど、ストレートな人間同士だってことで相性がよかったのかしら?

米山 そうだね。僕は、なんてチャーミングな人なんだろうと思って、ますます二人で話してみたくなったな。

室井 私、今になってつくづく思うの。あのとき、古賀さんの勉強会に行ってよかったなって。人生は同じ場所にいたら進展しないね。思い切って知らない世界に飛び込んでみたら、幸せの扉が開いた。

米山 要するに縁があったということなんだろうね。うまく行くときはトントン拍子で物事が進むというけれど本当だね。

 

結婚したら堂々と手をつないで歩ける

室井 二人で会ってみたら楽しかった。話が弾んだね。

米山 僕はお喋り好きだから。

室井 そこが好き。思うんだけど、若くもないのに無口な男ってのはサービス精神がないのよね。もっと言えば話すことがないというか、アホなんだね。

米山 ちょっと言いすぎじゃない(笑)? 大丈夫?

室井 だってホントにそう思うんだもん(笑)。2回目に、古賀さんも交えて表参道のイタリア料理店で会ったのは去年の暮れだったよね。その後、米ちゃんは結婚を前提に交際したいと言ってくれたけど、私は息子の大学受験が終わるまでは無理だって伝えた。

米山 僕が再び連絡したのは今年の2月に入ってからだったね。「2月27日のジャストバースデーにご飯でもどうですか?」って。

室井 嬉しかった。息子の二次試験が終わった日にちゃんと連絡が来て、しかも誕生日を覚えていてくれたんだって。六本木のジョエル・ロブションでお祝いしてくれて……。あの日にプロポーズしようと初めから決めてたの?

米山 いけそうなら(笑)。つまり雰囲気がよければプロポーズしようと思ってました。

室井 「結婚してください」って言われて「いいよ」って即答したものの、ちょっと困惑しちゃった。デート中は猫かぶってたから、米ちゃんは私のことを誤解してるんじゃないかなと思って。だから「私は50歳超えてるんだよ」「私には息子がいるんだよ」「私ってすごい感情的な人間なんだよ」「ホントにいいの?」って確認したよね。

米山 僕としてはお互いに若くないから、結婚するなら早いほうがいいと思って。

室井 えー、なんてつまらない理由なの! ちょっと傷ついた。

米山 もっとつまんないことを言うと、結婚してしまえば誰からも何も言われないというのがあって。たとえばの話、結婚したら堂々と手をつないで歩けるじゃない?

室井 っていうか米ちゃんは奥手すぎた。プロポーズしてくれた日、食事のあとに映画を観に行ったけど、暗くなっても手を握ってこないから「おかしいなぁ」って思ってた。映画が終わって外に出るときも、手をつないでくる気配さえなくて、私のほうからつないだらびっくりしてたよね。

米山 あの時点では手をつなぐという発想がなかったから。

室井 よくわからん。

米山 それに日本でも新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しつつある頃だったから、あまり人前もなんだなっていうのもあったし。

室井 そういえば、ラブラブモードの出鼻をくじかれた感があった。こんなときに交際するなんて不謹慎だ、みたいな空気があって。

米山 だから速やかに結婚しちゃおうと僕は考えたわけだけど、マスコミの取り上げ方が思っていた以上に結婚に好意的だったので、逆に驚いた。未婚カップルに厳しく、結婚したら全部OKなのが日本の文化なんだなと思って。

室井 日本の文化より、私は米ちゃんがロマンチストなのに驚いた。誕生日の翌日に真っ赤なバラの花束を持って家に来てくれたりして。

米山 50歳だから50本にしようかとも思ったけど、どこに置くの、と怒られちゃいそうだから30本にしておいた(笑)。飛び上がって喜んでくれて。嬉しかったよ。