「（まさかの不合格で）『あなた（息子）は受験に落ちました、母は恋に落ちました。母は結婚するのであなたは勉強してください』って伝えたの。」（室井さん）
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お母さんと女の両立は難しい

室井　息子も米ちゃんのこと尊敬してると思うよ。東大出で医者で弁護士でって伝えたら、「ハンパねぇ」とか言ってたもん。

米山　一緒に食事したけど、自然体だったね。

室井　私は息子に、「米ちゃんのことをお父さんだと思わなくていい」と話してるから。米ちゃんも息子の父親になる必要なんてないし。

米山　そう割り切れるのが熟年結婚のいいところかもね。もちろん子どもの年齢次第というところもあるけど。

室井　そうそう。思春期の息子じゃ、こうスッキリとはいかなかった。第一、お母さんと女の両立は難しいと私は思う。自分で産んで育てるって決めたんだから、それはそれでビシッとやり終えてからの、ご褒美的な、女としての第二の人生なら、周囲の人も祝福してくれるんじゃないのかな。

米山　ところで僕らのことを、どのタイミングで何て伝えたの？

室井　大学受験が終わったタイミングで伝えようと考えてたんだけど、まさかの不合格で予定が狂っちゃって。結局のところ、「あなた（息子）は受験に落ちました、母は恋に落ちました。母は結婚するのであなたは勉強してください」って伝えたの。

米山　アハハ。さすが作家。韻を踏んでいてリズムがいいよね。

室井　で、息子と息子の親友が家にいるときに、「私、結婚しようと思うんだけど」って告白したんだけど、「マジかよ」って二人にゲラゲラ笑われちゃって。息子の親友からは「おばさんは一人でいたほうがいいと思うよ」って言われたけど、息子は何も言わなかった。

米山　ナーバスになったの？

室井　その逆。絶妙なタイミングで息子にも彼女ができたらしく、お互いに干渉し合わないという暗黙のルールが成立したんだよね。