信頼関係があってこそ
幸四郎 4日間の撮影期間中、僕は国立劇場の舞台に出ていたから、撮影開始は終演後。だから深夜0時を超えても撮影をしていた。
猿之助 そんなキツキツの状態なのに、中車さんと幸四郎さんはアドリブをやろうとする(笑)。いかに寄り道をして、本編に戻らないかという競争をしているみたいで。現場のみんなは噴き出していたけど、僕は、「早く終わってくんないかな~」と思ってました。(笑)
幸四郎 えぇっ! そんなふうに思ってたの?
猿之助 編集でほとんどカットしたけど、ここは面白いと思った部分はちゃんと入れましたよ。
幸四郎 けっこうシリアスなシーンもあるんだけど、控室に行って鏡見たらびっくりしました。えぇっ! こんな化粧と格好であの芝居をしてたのかって。(笑)
猿之助 脚本を直したりカット割りをしたりADみたいなことをしたりと大変だったけど、みんなで作品作りができる幸せをしみじみ感じました。
幸四郎 猿之助さんと僕は、これまでたくさんの芝居で共演してきて、長い時間をかけて信頼関係を築いてきたからこそ、今回の作品ができたんだと思います。