中華人民共和国の「盲腸」
簡単に答えを書こう。中国致公党とは、「民主党派」と呼ばれる、合計8組織ある中国共産党の衛星政党のひとつなのだ。中国の政治体制は、正確には一党独裁ではなく一党専制であり、民主党派は一種の閣外協力政党のような存在(参政党)である。
彼らの由来は1949年の中華人民共和国の建国前夜にさかのぼる。
当時、毛沢東が提唱した新民主主義論を掲げていた中国共産党は、
ゆえに民主党派には、国民党の左派で孫文未亡人の宋慶齢を名誉主席に戴いた中国国民党革命委員会(民革)をはじめ、かつての有力な中間党派だった中国民主同盟(民盟)、親共産主義的な台湾出身者を中心にした台湾民主自治同盟(台盟)など、1949年当時の政治状況を反映した党派が多い。表向きは愛国華僑の政党とされる中国致公党も、そのひとつである。
その後、政権を握った中国共産党は間もなく新民主主義論を放棄し、民主党派は反右派闘争や文化大革命で大打撃を受けて独自性を失うのだが、さておき組織だけは現在まで残っている。全人代や政治協商会議(中国の国会に相当)の開催期間にテレビを見ていると、彼らの党名がたまに報じられることがある。
前時代の有力勢力が、新政府の体制下でも盲腸のように残される構