101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

<100歳の100の知恵 8>

『忙しいとき、庭の花を見て季節の家事を思い出す』

家事と仕事、姑の介護が重なった頃、私はいつも疲れ果てていました。急に肌寒い日がきて、防虫剤の匂うコートを着て外出しなくてはならないときなど、どうにもならないほど気持ちが沈んだこともあります。かといって誰にも泣きごともいえません。

なんとか上手に家事の手を抜くため、庭に咲く花で季節の家事を思い出そうと、「花の家事暦」を作りました。なんの花が咲き始めたら、どんな家事に手をつけるか。ノートに書きつけて、季節家事の覚え書き代わりにしたのです。

たとえば夏が終わり、ミズヒキソウやホトトギスなど控えめな秋の野の花が咲き始めると、「夏じまいをこころがけなさい」の合図だと思い、「秋冬物の洋服に入れ替えなければ」といった具合。そんなふうにして、ややもすれば落ち込みがちな気持ちを、なんとか奮い立たせていました。

ただ季節を味わう習慣が身についたおかげで、今も四季折々の庭の草花を眺め、日々小さな幸せを感じています。