「いつも私の背中を押してくれるのが、スケートを習っていた頃に母がくれた3つの言葉。私にとっては金言なんです。」

それだけに、芸能界かスケートか、どちらかを選ばなくてはならないときはつらかった。当初は、芸能界のお仕事をしながらスケートも続けられるんじゃないかと考えていました。でも、お芝居や発声のレッスンが週に6日あって、スケートも毎日滑っていないと感覚が鈍ってしまう。どちらも中途半端な気持ちで臨むわけにはいかない……。悩んだ挙句、せっかく大勢の応募者の中から選んでいただいたのだからと、芸能界で頑張ることに決めたのです。

振り返ってみれば、あの選択は正しかったと思います。もともと空想好きなところがあって、小学生の頃は、学校からの帰り道で「次の曲がり角でゾンビが襲ってきたら、手に持っている傘で戦おう!」なんて想像していたほど。

だから今も、「こういうシチュエーションのときには、どういう感情になるんだろう?」と、あれこれ考えてお芝居をするのがとても楽しいのです。また、将来の進路に悩んでいる同世代が多いなか、10代のうちに自分の好きな仕事に出会うことができたという意味でも、本当にラッキーでした。

成功した自分を想像すると

スポーツをやっていたので、メンタルが強いと思われがちですが、実は私、かなりの豆腐メンタルで(笑)。近頃はちょっぴり油でコーティングされて揚げ出し豆腐くらいにはなりましたが、意外に打たれ弱かったり、クヨクヨと悩んだりしてしまう。

そんなとき、いつも私の背中を押してくれるのが、スケートを習っていた頃に母がくれた3つの言葉。私にとっては金言なんです。1つ目は、夢に向かって努力すること。2つ目は、夢をあきらめないこと。そして3つ目は、成功した自分を想像すること。最後の言葉がとくに好きです。自分はこうなりたいんだからあきらめちゃダメだって、この言葉を思い出すたびに、もう一度自分を奮い立たせることができますから。