みんな違ってみんないい

「ママ、冬休みの日にちわかった?」
「みほちゃんに聞きました」
「みほちゃんは間違いないから、大丈夫だね」

この10歳は、何様なんだろう。

「ママ、今週スケートいくから」
「決定ですか?」
「決定」
「ちょっと待ってよ」
「決めてきたから、学校で」
「ちょっと待ってよ、ママ忙しいから、わからない、予定、いま」
「舞台終わったら、どっか連れてくって言ってた」
「言ってたね」
「おつかれさまでした」
「はい、ありがとうございます」
「舞台よかった!」
「嬉しい、どこが?」
「瀬戸康史くんが、かっこよすぎた!」
「そうだよね」
「スケートね」
「ママの感想は?」
「スケート行ったとき教える」

こうしてくれたら、こうしてあげる。

この良くない癖は、わたしの口癖だったかもなぁ、と反省。

「スケートいつにするかってLINEして。ママ、すぐ忘れるから」

友だちのママにLINEをしろと急かされる。

「いつもありがとうって言うんだよ、ママ」
「なに、わかってるよ」
「私たちをいつも助けてくれるんだから」
「知っていますから」
「しっかりしてね」

何様だろう。

確かにわたしに何かの情報を聞いてくるママ友は、1人もいない。

「みんな違ってみんないい」

いやいや。だらしないわたしに付き合ってくれるママ友に、足を向けて眠れません。
 

舞台を無事に終えて満面の笑み
青木さんの連載「48歳、おんな、今日のところは「●●」として」一覧

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