64歳で社交ダンスと出合い、毎年、発表会で華麗な踊りを披露している加藤タキさん。40歳から趣味になった登山に加え、還暦を前に習い始めたダンスが介護うつを解消するきっかけになったという市毛良枝さん。お二人が夢中になっているダンスの魅力について語り合いました。前編はダンスを始めたきっかけから――(構成=福永妙子 撮影=岡本隆史)
優雅とはほど遠い!ダンスは筋トレ
加藤 私たち、共通のお友だちを介して親しくなったんですよね。
市毛 詩人でエッセイストの堤江実さん。悲しいことに、2020年11 月にお亡くなりになって……。その江実さんに、「ダンスのお話ができるわよ」と引き合わせていただいたのが、タキさんでした。
加藤 江実さんと一緒に、私のスクールのダンス発表会を見に来てくださったことがありますね。
市毛 お世辞じゃなく、本当にお上手。きれいな脚を出して踊ってらして、セクシーでした。
加藤 以前は脚を見せるなんて想像もできなかったんですよ。スカート丈は必ずミディで、ふくらはぎから上を見せるなんて絶対ダメ。それがダンスを始めて脚が引き締まったおかげで、丈がどんどん短くなりました。
市毛 あれは見せたくなる脚です。(笑)
加藤 ダンスの種類でいうと、私はラテン。ルンバやジャイブ、チャチャチャとか、軽快なステップと情熱的な表現が特徴ね。私、激しいのが好きだから(笑)。市毛さんはスタンダードでしょ。
市毛 ええ。男女が手を組んで腕をホールドし、優雅な動きで踊るというスタイルのもの。ワルツが代表的ですね。ラテンはセクシーですけど、私、色っぽいのが苦手で。(笑)