さみしいときは、手始めに誰かに心を寄せてみるとよい。あの人はいま困っていないかな、元気でやっているかな、と考えると、雪原に取り残されて冷え切った心の塊が、少しずつ溶解される。

心の暖を取るためだけに他者を利用するのはさもしい行為だが、おかしくなる前の予防策として控えめに嗜むのは悪くない。自分ばかりが周囲を思いやっているように感じるときは、思い切って人間関係の河岸を変えてしまおう。相手を思い、行動し、自分にも同じようにしてくれる人が、かけがえのない友人になるのだから。


本連載+αをまとめた書籍が販売中!

年齢を重ねただけで、誰もがしなやかな大人の女になれるわけじゃない。思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。「私の私による私のためのオバさん宣言」「ありもの恨み」……疲れた心にじんわりしみるエッセイ66篇