でも、自分も取材する側にいたからわかるのですが、相手が黙っているとますます聞きたくなるものです。沈黙を守っていると、些細なことを大げさに膨らませて書かれたり、苦渋の思いで口にした一言が曲解されてしまったりも。

一番苦しかったのは、事実と違う報道をされたこと。おまけに、独り歩きしていく誤解を訂正することさえできない。たとえ言い返せる場があったとしても、当時の私は真実を伝えられる立場にはありませんでしたから。

そんなことが重なって、一時期は完全に人間不信に陥りました。仲良しだった友人たちにもだんだん本心を言えなくなって。そうして本来の自分とは違う自分がどんどんできあがっていくことが、私にとっては大きなストレスだったように思います。

 

ジャッキー・ウーさんに惹かれた一番の理由

ずっとそんな思いを抱えてきたからこそ、先日、週刊誌の突撃取材を受けておつきあいしている彼のことを聞かれたとき、はっきり真実をお話ししようと決意したのです。

長年、週刊誌の取材を受けてきましたから、質問をかわす術も、ちゃんと身につけていたんですよ(笑)。ニッコリ笑顔で、何も言わずにお辞儀をして、その場を後にすればいい。でも、お互いの気持ちが通じ合っている素敵な方と交際しているのは事実ですし、そもそも悪いことはしていません。

ここで逃げたら追いかけられて、またしてもコソコソと生活するはめになる。そんな経験をこれまでさんざんしてきたわけですから、もう二度と同じ思いはしたくない。それで、マイクを向けられたときに、「結婚を考えている方とおつきあいしています」と、潔くお話ししたのです。そうしたら、すごく気持ちがすっきりしました。