左から、松本明子さん、梶本修身さん(撮影:本社写真部)

ロケで疲れていたのは、体ではなく脳

梶本 そう、実は体の中で最も酷使されるのが、脳にある自律神経中枢です。たとえば、松本さんは過去にバラエティ番組のロケで全力疾走なんかもしていましたよね。

松本 若い頃はよくやっていました。

梶本 自律神経は、走るときも体の安定を保つために、呼吸、心拍、血圧、発汗などを秒単位で制御します。運動して疲労するのは筋肉でも体でもなく、全身を制御する自律神経中枢なんです。

松本 ロケで疲れていたのは、体ではなく脳ということですか?

梶本 その通り。

松本 でも、当時は全身に倦怠感があって、体が疲れた感じでした。

梶本 自律神経が疲れているのに「体が疲れた」と感じてしまうのは、それ以上に体を動かすことで、自律神経をさらに酷使することを止めさせようとする脳の防衛本能なんです。おそらく、多忙かつ緊張感もあって、自律神経が悲鳴をあげていたのでしょう。

松本 そういえば、当時は子育て真っ最中でしたし、実母の介護もあって仕事以外でもつねに気を抜けず、全力疾走の状態でした。便秘外来の先生からも、「頑張りすぎないで」「気を楽に」と言われていましたね。