〈6月18日の『徹子の部屋』に登場〉喉のジストニアの一種である痙攣性発声障害を患っていると、伍代夏子さんが自身のホームページで明かしたのは3月2日のこと。芸能界では、同様の病に苦しみながらも公にしない人が多いと言われています。歌手にとって、声はまさに命。それでも病名の公表に踏み切った理由、そして不調に気づいてからの日々とは(構成=平林理恵 撮影=大河内禎)
声がかすれる、かれる、大きい声が出ない…
あれは2年ほど前、バラエティ番組の収録中のことでした。共演者のみなさんとしゃべっているときに突然、自分の声の音量が半分になった感覚があったんです。やだ私、疲れちゃったんだわ。そう思いながら、ささやくような声をふり絞って仕事を終えました。
歌声に影響がないので気に留めなかったのですが、振り返ればこのころから、声がかすれる、かれる、大きい声が出ない……といった症状が出はじめていたように思います。
しゃべるのに、それまでの倍くらいの力が必要になりました。声を出すだけで疲れる。収録中のなにげない会話や説明が面倒くさい。だから、どんどんしゃべりたくなくなる。それでいて、歌声はいままで通り。どうしちゃったんだろう、と心配になりました。
私、これまでの歌手人生で、喉に不調を感じたことが一度もなかったんです。かかりつけのお医者様もいないので、当然のことながら、最初に駆け込んだのは耳鼻咽喉科でした。
まず、疑われたのは逆流性食道炎。寝ている間に胃酸が喉に上がってきて、声帯を刺激しているのではないか、と。寝る直前まで食べていませんか、とかお酒が多いのでは、と問われれば、まあ思い当たることばかりじゃないですか。(笑)
そこで消化器内科で胃カメラを撮ったのですが、異常はなし。胃の粘膜に異常が認められないのに不調を感じる機能性ディスペプシアの疑いも、まもなく晴れました。