就職、転勤、入学など、変化の大きな春、たとえ前向きな変化でも適応するために多くのエネルギーを消耗しています。メンタル面と体の疲れは密接に関わっていて、エネルギーが減っていることに気づかないまま過ごして、体調を崩してしまうことも。そこで、自衛隊で心理カウンセリングに携わってきた《メンタル教官》下園壮太さんが、体の声を聞き、エネルギーを補給する方法を伝授します(構成=塚原沙耶 イラスト=本田佳世)
疲労は自覚しづらい
私は長年、陸上自衛隊の心理教官として、隊員のメンタルストレスに対するカウンセリングや教育を担当してきました。
自衛隊員は、心身ともにストレスがかかる現場で任務を遂行しなければなりません。気合いだけではどうにもならない部分もあります。活動を維持するため、疲労のコントロールを重視しているのです。
なぜ疲労に着目するのか。それは、自分では気づきにくく、いつの間にかパフォーマンス低下や心身の不調を招くからです。
そもそも疲労には2パターンあります。一つが、筋肉を使いすぎた時の疲労です。体が動かなくなったり、筋肉痛になったりするからわかりやすく、対処もしやすい。もう一つがエネルギーの使いすぎによる疲労。こちらはなかなか自覚できないものです。エネルギーの消耗による疲労について、考えていきましょう。