テレビなんて観ている暇はない

立て続けに3人の子どもに恵まれたこともあり、私が想像していたよりずっと忙しく、あっという間に10年が過ぎた。「主婦はテレビを観てばかり」と言っていた母に言いたい。「テレビなんて観ている暇はないよ! 主婦をなめないで!」と。

家事は無限にある。毎日の掃除や洗濯、料理に加え、子どもの世話もあって終わりはない。仕事には休日があるけれど、家事や育児に休みはないし、上手にできても誰からも褒められない。それでも部屋を綺麗にしよう、料理を美味しく作ろうというモチベーションを保ち続けるのは大変なことだと思う。「今日、居間の棚の隅をピカピカにした」ということが、私の誇りだ。

けれど、夫の目にそんな私はどう映っているのだろう。彼が成し遂げた仕事は、社会や人の心に何かを残すかもしれないが、私がピカピカにした棚は誰にも気づかれることなく、明日にはまた埃をかぶり始める。そんなことを考えていると、自分で選んだ専業主婦という仕事に満たされていないことに気づいて、落ち込む。

正直、私は家事で一つも得意なことがない。ケーキ作りも部屋をオシャレにするDIYも趣味ではないし、子どもたちに手作りの手提げバッグやシュシュを作ってあげられる母親を眩しく感じる。

思い起こせば、母は料理が得意だった。私は祖母の作ったごはんで育ったので、日常的に作ってもらった記憶はないが、調理師免許を持っていることを自慢げに話していた記憶がある。