まるで『スクールウォーズ』のシーンのよう
カチャーン!
と、クルマよりは遠くから音が聞こえてくる。何かが割られている。
窓だ。窓が割られていっている。昔、観た『スクールウォーズ』の窓が割られているシーンの音と同じだ。
コワイ人とコワイ人が、対峙し、どちらが生き残るかの闘いを、静かな住宅街でしている。
いつ、なんどき、なにがあるか、わからない。
わたしは110番した。
「もしもし」
すぐに先方は電話に出た。先方というか、警察さん。
わたしは、住所と状況を伝えた。すると先方は
「その連絡、他の方からも何件か、入ってまして」
「そうですか、何があったんでしょう!」
やはり、密集した住宅街、皆同じ音が聞こえているのだろう。
「いま、向かっていますので」
「わかりました、よろしくお願いします」
わたしは、とても覗きたかったが、撃たれてはたまらないと、窓から顔を出す勇気はなかった。そのうち、轢き殺したか轢き殺していないかは不明だけど、軽自動車は立ち去り、直ぐにいつもの深夜の細道に戻った。抜け道なので人やクルマが通る程度だ。
警察の人たちが残っている感じもしなかった。ということは、轢き殺されてはいないのだな、と思った。