死ぬときもひとりでかまわない
お金をかけない生活は、資源を節約する生活でもあります。私は、ケチで環境にも優しいエコロジーな生き方を、「ケチカロジー」と呼んでいて、このケチカロジー生活は、私が自身の裁量でルールを決められたからこそできること。
そう考えると、ひとりは決して悪いことじゃない。20代から10年ほど結婚していた時期がありましたが、夫婦それぞれの時間が長かったので、感覚的には今も昔も変わらずずっとひとり。
私は、死ぬときも誰かに見守られて死にたいとは思わない。太陽が降り注ぐ窓の下で、床に寝そべってスーッと眠るように逝けたら幸せです。ただ、発見されないままだと周囲に迷惑がかかるので、URの有料電話サービスに登録しています。これは週に1度、電話で高齢者の安否を確認してくれるというもの。今後、体が弱ったら電話サービスの頻度を上げるつもりです。
ケチを貫いてきて一番良かったことは何かと聞かれたら、「節約で貯めたお金でドイツに行けたこと」と答えます。50歳からの10年間で計9回、ひとりでドイツを旅しました。
私はカスパー・ダーフィット・フリードリヒというドイツの風景画家が好きで本も書いているのですが、その人が眺めたであろう風景と原画をどうしてもこの目で見たかった。ドイツ語を学ぶより、まず行動ありき。リュックを背負って道なき道を行く過酷な旅でしたが、怖さや寂しさを感じることはなく、幸福感のほうがはるかに大きかった。貯金はかなり減りましたが、体力があるときに行っておいてよかったです。
人生100年と言われる時代を乗り切るために、これからも楽しみながらケチ道を邁進していこうと思います。