変形性ひざ関節症の原因は

Q.  変形性ひざ関節症の原因は「滑膜(かつまく)の炎症」なのでしょうか?

A.  原因は一つだけではありません。

ひざ痛に関する知識をお持ちの人なら、変形性ひざ関節症の痛みが「滑膜の炎症」で起こるという話を聞いたことがあるでしょう。

しかし滑膜の炎症だけが痛みの原因と思っているなら、それは間違いです。腱に原因がある場合、あるいは骨に原因があるBML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変)という病態も見過ごせません。「滑膜の炎症だと思っていたらBML だった」というケースがたびたびあるのです。

滑膜炎とBMLを見分ける確実な方法の一つはMRIですが、セルフチェックでも、ある程度判断できます。変形性関節症に詳しくない整形外科医は見逃していることもあるので、ご自身で確認してみてください。

ひざ痛が起きたら温める?それとも冷やす?(イラスト:なとみみわ)

温めるか冷やすか

Q.  ひざの痛みを自分で治すなら、温めると冷やす、どちらが正しいですか?

A.  温めてください。

ぶつけたり、転んだりした痛みなら冷やしますが、変形性ひざ関節症の炎症なら「温める」が正解。「炎症なのに温めるの?」と思うかもしれませんが、変形性ひざ関節症の炎症は、打撲や、患部にバイキンが入って起こる炎症とはタイプが違います。また、冷やすと痛みを過敏に感じる神経のメカニズムがあるので、正反対のケアで悪化させないように気をつけてください。