「いいことも、時々はつらいこともあったけれど、今は素直にこう思えるんですよね。どんな出来事であっても、起きてくれてよかったな、と」(撮影:宮崎貢司)
「魔性の女」と呼ばれる一方で、約17年、ひとりで3人の子どもを育ててきた高岡早紀さん。コロナ禍では自宅で母や子どもたちと過ごす時間が増え、さらに新しい趣味を見つけられたと言います。芸能界デビューから34年が経ち、いま考えていることは──(構成=大西展子 撮影=宮崎貢司)

母、次男、長女、犬3匹の《7人》で同居中

最近、ボールペン字の昇段試験を受けたんです。新型コロナウイルスの感染拡大で仕事がストップした時、ふと習おうかな、と思い立って、通信講座で「ボールペン字」を習い始めました。

私の部屋には向かい合わせに勉強机が置いてあって、10歳になる娘も学校のオンライン授業はこの部屋で受け、私はボールペン字をしていたんです。お互いに黙々とね(笑)。無心になって文字を書くと心がスッキリしたので、すっかりハマっています。手紙を出す機会も増えました。

コロナで仕事に支障が出たり、外出がしづらかったりと困ったことはありましたが、家の中に限ると、「いいこと」のほうが多かった。現在のわが家は、長男が独立したので、私と母、次男、長女、犬3匹の《7人》で同居中。家族で話す時間が一気に増えて、ふだんはなかなかできない将来の話などもしました。

家族以外の人と触れることが少ないぶん、かえってストレスもなくなったのか、私も子どもたちもイライラすることが減って、家の中がすごく平和で穏やかです。

15歳でデビューしてから、人生のほとんどを芸能界で過ごしていることになります。これまで通ってきた道を振り返ると、各年代で本当にさまざまなことがありました。23歳で結婚して翌年に長男が、その2年後には次男が誕生しました。30代に入ってすぐに離婚して、37歳の時、一度は再婚を考えた人との間に長女を産んで……。

女優という仕事柄、プライベートはすぐにメディアで取りざたされてしまいます。いいことも、時々はつらいこともあったけれど、今は素直にこう思えるんですよね。どんな出来事であっても、起きてくれてよかったな、と。