立花隆『新装版 思考の技術――エコロジー的発想のすすめ』(中公新書ラクレ)

競争がいやなら、植物型から動物型サラリーマンに変われ

このあたり、人間社会での競争現象にもかなり似たところがある話である。勝つために自分が強くなる以外に、相手の足を引っぱるという手もあるわけである。企業内でのサラリーマン社会における競争は、基本的に、同じ場所で同じ養分を奪い合う植物的な競争である。

転職の時代が口にされてはいるが、まだまだ日本の社会では労働市場の流動性に乏しい。移動ができないうえに、企業内の日の当たる場所は有限ときているから、その競争は陰湿かつ苛烈なものになる。さまざまの手を用いて、競争に勝てなければ、植物社会での低木層や下生え植物のような地位に甘んじて一生を終えなければならない。

そんな競争がいやなら、植物型サラリーマンから、動物型サラリーマンに変わることである。転職によって移動し、住み場所を変えるのが一つの方法。もう一つは、他の人が食べない食物を狙うことによって競争を回避する方法。つまり、スペシャリストが少ない分野でのスペシャリストになる方法である。