左から、榊原郁恵さん(初代ピーターパン)、高畑充希さん(8代目)、吉柳咲良さん(10代目)
劇作家ジェームズ・バリが1904年にロンドンで初上演し、大人の鑑賞に堪える児童劇として爆発的な人気をえた『ピーターパン』。45年にはブロードウェイミュージカルとして生まれ変わり、世界中で愛され続けている。日本での初演は81年。40周年を祝し、歴代主演女優が一堂に会して思いを語り合う(構成=篠藤ゆり 撮影=清水朝子)

〈前編よりつづく

ピーターパン以外の役を演じるとしたら

榊原  『ピーターパン』は登場人物が個性的で魅力的なことも、長く愛される理由よね。

高畑 もしほかの役を演じられるとしたら、私はフック船長をやってみたいです。

榊原 え〜っ!

高畑 ピーターパンにとっては闘う相手だけど、なんだか憎めないですし。できないからこその憧れかもしれませんが。

榊原 フック船長は愛すべきキャラクターよね。舞台では、ウェンディたちの父親ダーリング氏とフック船長は同じ俳優が演じることになっていて、実はそこに意味がある。どちらも威厳を保っているようでいて、ヤンチャで子どもっぽい部分や、頼りない部分のある大人として描かれているのよね。

吉柳 私はもともとダンスを習っていたので、ダンスシーンの多いタイガー・リリーがかっこいいなと思って、ある時スタッフさんに「タイガー・リリーのダンスをやってみたい」と言ったら、「今はピーターに集中してね」と言われました。(笑)