「履いていると狩られる」とまで言われた「エア マックス95」人気が社会現象となり、日本で"空前のスニーカーブーム"が起きたとされるのが1996年前後。実際、その“ブーム”とされた96年からの20年において、ナイキの売上高はなんと約5倍まで増えている。

なおナイキの2016年決算期の売上高は323億7600万ドル。これは単純計算すると100ドルのスニーカーが1分間に616足売れていることを意味する。

もちろんこうした傾向はアディダスやニューバランス、コンバースといったナイキ以外の大手スポーツメーカーでも同様に見られた。また、近年そのブームを追うように、スニーカーへ力を入れ始めたルイ・ヴィトンやグッチ、バレンシアガといった高級メゾンが加われば、その市場規模は計り知れないまで膨れ上がっている。

 

「第三次スニーカーブーム」の特徴

しかしそれで本当にスニーカーが好きな人に、欲しいスニーカーが行き届いているかと言われると疑問符が付く。

なお一般的には、自分の足で希少なスニーカーを世界で発掘(ディグ)することが価値を持ったブームが「第一次ブーム」、ウィメンズ市場とリバイバルが盛り上がったのが「第二次ブーム」。そして情報や資金を駆使してレアスニーカーを手に入れる現代のものが「第三次ブーム」と良く言われている。

スニーカーは情報や資金を駆使して買う対象に(写真提供:写真AC)

日進月歩するテクノロジーは、確かに一定数の人々にとって、スニーカー(とその情報)をより身近な存在にさせた。これから先に発売となるスニーカーの話題はアプリを通じていち早く入手できるし、造形の細かいところまで、インターネットサイトを通じてチェックできるようにもなっている。