朝乃山よ、茨の道を行け

しかし、残念なのが高安(高ははしごだか)。大関復帰を期待したのに、場所を前にして、ぎっくり腰になったそうだ。鍛えている力士が、知人の運動不足のオッサンと同じ病になることを私は学んだ。

さらに残念なのが、日本相撲協会の「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」に違反した朝乃山が、6場所出場停止処分となり、復帰は来年7月場所になること。三段目に落ちるようだ。この処分を厳しすぎると私は感じ、出場できない苦しさから、朝乃山は相撲を辞めたくなるのではないかと同情した。

処分を知った時、私は自宅のテレビの傍にある冷蔵庫を見た。私は、自分を叱咤激励する言葉を紙に書いて、冷蔵庫の扉に写真家・岩合光昭氏の猫写真の展覧会で買った写真付きマグネットで張っている。最近、なにかにつけて歳のせいにして、やる気がないので、今は、「The show must go on」(ショーは続けなくてはならない)を張っている。イギリスのロックバンドのクイーンの曲のタイトルでもある有名な言葉だ。

しろぼしさんが自分を叱咤激励するために貼っている言葉(写真提供:しろぼしさん)

朝乃山よ、三段目からの茨の道を歩むことになるが、相撲を辞めてはならない。真のファンは、這い上がるその姿をちゃんと見ている。

名古屋場所はいつも湿度の多い時期に開催されるので、特に古傷が痛む力士が多いと思う。しかし、力士は辛くても「The sumo must go on」だ。

相撲は続けなくてはならない。

ただし、横綱・白鵬は続けるだけでなく、勝ち続けなければならないけれど。

 

※「しろぼしマーサ」誕生のきっかけとなった読者体験手記「初代若乃花に魅せられ相撲ファン歴60年。来世こそ男に生まれ変わって大横綱になりたい」はこちら

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