イラスト:青山京子
新婚からプラス30キロで、夫とはセックスレスに。理想の体形に近づくために、さまざまなダイエットに手を出すも、体重は減らず。費やしたお金、労力は計り知れず……。ついに「出会い系サイト」で相手を見つけ、快楽に溺れるも、悲劇的な結末が―

私を打ちのめした夫の言葉

結婚して16年。新婚当時の体重から30キロ近くも増えた。身長は155センチで、体重は75~80キロを行ったり来たり。こんな私を《女》と見る男が、どこにいるだろうか? 

夫も私を《妻》とは見ることができても、《女》として見ることができるはずはない。しかし、私はセックスレスについて悩んできた。太り始めてから、ずっとだ。

ある日、私は思い切って夫に訊いた。

「ねぇ、前みたいに、抱いてほしい。ほかに好きな人がいるの?」

真剣な答えが返ってくると思っていた。しかし、

「お前が、沢尻エリカや長澤まさみのようだったらできるよ!」

と大笑いしながらの返事。どんどん太り、入る服といえば男性用、しかもサイズはXLかXXL。お洒落の楽しみも忘れ、家畜のように太った私を、女として見ることができるかよ、というわけだ。

頭ではわかっていた。けれど、「私はまだ大丈夫」「夫は、体だけで抱く人じゃない」と思っていたかったのだ。

それから、ダイエットを始めた。トマトスープダイエット、豆乳ダイエット、十数種類のサプリメントに、発汗作用の強い入浴剤の数々……。そしてフィットネス機器が付いたゲームソフトも購入。高かった。私はパニック障害を患っていて電車に乗ることができないから、ジム通いは無理だ。そこで、家でできる腹筋トレーニングマシンも買うことに。しかし、体重計はそんなに優しくない。冷酷な結果を突きつける。