「合理的な経路と方法」で通勤しないと対象にならない

腰痛、うつ病、脳梗塞、心筋梗塞などは個人的な要因もあり得るため、あっさり労災認定とはいきませんが、長時間労働、パワハラ、様々な角度から業務起因性と業務遂行性が認められるケースも増えています。

テレワーク・リモートワーク中であっても、会社の仕事をしている最中に業務を原因としたケガを負った場合は対象になります。例えば、会社のプレゼンで使う厚紙の見本品を組み立てていてカッターナイフで指を切ってしまったなどです。

テレワーク中に怪我をしたらどうなるのか(写真提供:写真AC)

でも、ランチを作っていて指を切ってしまった場合、階段で転んだ場合などは業務に起因するとはみなせないでしょうね。

通勤災害は、「合理的な経路と方法」で通勤した場合が対象とされています。多くの方が、会社に通勤手段や交通費を届け出ていると思いますが、その「経路と方法」が鍵となります。

かつて、「友達の家に泊まって徒歩で出勤したといったら、なぜか会社にダメといわれました。遅刻もしないで会社に行ったのに!」という方がいらっしゃいましたが、正直さや遅刻をしないことは認定のポイントではありません。

会社の支店間の往復など業務に関する移動も対象になります。ただし、テレワーク・リモートワークなどで、会社の指示もないのにカフェやレンタルオフィスで仕事をした場合は難しいでしょう。