よく聞く労災。でもどこからどこまでがその対象になるの?(写真提供:写真AC)
年功序列、終身雇用制度はすっかり崩壊。老後の資金にも不安が募るこれから、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんは「お金の知識格差は命取りになりかねない」と主張します。これまで3万人以上の受講者に「お金」にまつわる知識を伝えてきた川部さんによれば、よく聞く「労災」も認定されるためにはポイントがあるそうで――。

労災の対象は「業務災害」と「通勤災害」

クリニックや病院に行くと、当然のように保険証を提示します。この保険証はあくまで個人的な病気やケガで「健康保険」を使う際のものです。

病気やケガの原因が業務や通勤だったと認められた場合は、健康保険ではなく「労災保険」の対象となります。労災には業務災害と通勤災害があります。

労災認定となるポイントは、次の2点をいずれも満たすことです。

・業務起因性

業務とケガや病気に因果関係がある必要があります。

・業務遂行性

労働契約に基づき、事業主の支配管理下で発生したことが重要です。ケガの場合は業務中であることがポイントになり、病気の場合は業務に存在する有害因子を受けて引き起こされたものなども含みます。

労災手続きの際役立つのが事故や症状に関する日時や状況のメモです。事故があった場合、体調に心配がある場合はメモをしておくことをおすすめします。