イライラしたり、落ち込んだり、やる気が出なかったり……。何をやっても気持ちが奮い立たない日というのはあるものです。原因がはっきりしない時は食事の内容を見直してみては、と栄養学の側面から精神疾患を研究する功刀(くぬぎ)浩先生は話します。そして今回は栄養満点の加工食品を使った簡単おかずをご紹介します(構成=島田ゆかり イラスト=みずうちさとみ)
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疲れた心を立て直す
理想のルール
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1)1日3回、決まった時間に食事をする
2)野菜は毎食、魚は週に3回以上を心がける
3)不足しがちな栄養素を意識して摂る
4)できるだけ自然な状態の食材を選ぶ
5)カロリー過多(特に糖分)に注意する
心にも悪影響を及ぼす3つの食習慣
体だけでなく、心にも悪影響を及ぼす食習慣は主に3つ。飽食の時代ならではの「隠れ栄養不足」「カロリー過多」「食品添加物の摂りすぎ」です。
隠れ栄養不足とは、食の欧米化、インスタント食品や加工品の摂取量の増加で、カロリーは十分摂取しているのに、一部のビタミンやミネラル、食物繊維などが不足してしまっている状態のこと。炭水化物や脂質は過剰なので、脂肪細胞が溜まり、体や脳、腸内が炎症を起こします。その結果、肥満になるだけでなく、心の不調にもつながってしまう。また食品添加物は、ほかの栄養素の働きを阻害する原因になるものもあるので、摂りすぎに注意が必要です。
前ページで紹介した栄養素は、心の健康に必要であるにもかかわらず、現代人の食生活で不足しがちなものばかり。イライラしがち、やる気が出ない──など身に覚えのある方は、意識して取り入れてみてください。
本来、ごはん、味噌汁、魚や肉を中心とした主菜と野菜を使った副菜といった昔ながらの和食を食べていれば、こうした栄養素は自然に摂れるもの。また、インスタント食品や加工品が悪いということではなく、自然の素材を一緒に食べる、調理するなどして栄養バランスを考えることが重要なので、あまり気負わなくて大丈夫です。