ヒノキ は1300年の時をも超える
よく木材として活用されているヒノキ。世界最古の木造建築物で、築後1300年を超える奈良・法隆寺の建築材料にも、ヒノキがふんだんに使われています。
その理由は、ヒノキがずば抜けて防虫性、抗菌性、耐久性に優れているためで、昔から高級木材として珍重されていたからです。身近なところでは、細菌の繁殖を抑えたいまな板や、カビを防ぎたい風呂桶や椅子にも使われてきました。
この特性のもとが、ヒノキに含まれる香り成分。ヒノキのお風呂に入ると漂う心地いい香りで、「フィトンチッド」の一種です。
しかし、人間にはいい香りでも、虫や細菌は大嫌い。フィトンチッドは、伐採されて木材になっても消えることなく、1000年以上も続きます。人間に役立ち、大切にされることで共存・共栄することも、ヒノキの生きる知恵なのかもしれません。
*ヒノキの香りは、結核菌、肺炎球菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、腸チフス菌、破傷風菌などに対しても、抗菌作用を示します。
ヒノキ
【学名】Chamaecyparis obtusa
【原産地】日本、台湾
【特徴】フィトンチッドの香り成分をもち、防虫性、抗菌性、耐久性に優れている。
【学名】Chamaecyparis obtusa
【原産地】日本、台湾
【特徴】フィトンチッドの香り成分をもち、防虫性、抗菌性、耐久性に優れている。
※本稿は、『すごい植物最強図鑑』(田中修監修ほか)の一部を再編集したものです。