101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

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『食材は《もったいない》精神で使い切る』

うどの皮のきんぴらは、料理屋さんでいただき、「なるほど」と思ったお味でした。本当にお料理の心がある方は、皮までちゃんと使うのですね。それ以来、うちでも定番になりました。

うどの皮は酢水につけて灰汁を止めた皮を繊維に沿って少し斜めにせん切りにし、水につけて酢味をとってから水気をよく切り、ゴマ油で炒めて醤油とみりんで味つけします。

サッパリした味がお好みなら、サラダ油で炒めて。ごぼうのきんぴらのように濃い味つけにすると、せっかくのうどの風味が消えてしまうので、調味料は控えめに。いりごまと一味唐辛子粉をふると、ごはんのおかずにも、酒の肴さかなにも重宝します。

野菜の皮も工夫次第で丸ごとおいしく(イメージ写真提供:写真AC)

根ミツバの根も、よく洗ってヒゲ根をとり、きんぴらにします。香りもよく、すごく上等な料理に見えます。お客様にお出しすると、「へえっ!」と驚かれ、喜んでいただけます。

《もったいない》精神は、いってみれば工夫の親。しかも食材を丸ごと利用するようにすると、生ごみの量も減ります。

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