「『逃がしたよ。私があの子たちを自由にさせたよ』って(笑)。小学1年生のときの話だから許してほしい。」(白鳥さん)

正義感から飼い犬を全部放した

清水 さっき正義感って言ってたけど、白鳥さんの正義感はもともとちょっと変わってるしね。

白鳥 幼少期の私は、とにかく犬が好きで。でも飼うことは許されてなかったから、学校のあと、お母さんの仕事が終わるまで預けられるおばさんの家の近所で、外に繋がれてる飼い犬を見て回るのがなによりの楽しみだったのね。勝手におやつあげたりして。

清水 田舎ならではだね。(笑)

白鳥 昔、『銀牙 ─流れ星 銀─』っていうマンガあったじゃん。

江上 わかるよ。犬同士がしゃべる冒険マンガね。銀っていう犬が、熊を倒しに行くんだよね。

白鳥 あれを読んで「犬は仲間同士、固まって山に行くもの」と思った私は、繋がれた犬たちを見て気の毒に感じたわけ。

清水 で、どうしたと思う?

江上 すごいイヤな予感がする。

白鳥 そこにいた犬を全部放したの。

江上 いやああ! 嘘でしょう?

白鳥 正義感だもん。「もっと山へお逃げ! 銀みたいに徒党を組んで熊を倒しに行け!」と思ってるから。でもまあ、当然大問題になって、お母さんが会社から呼び出されてさ。「クミちゃん、これもしかして……」「逃がしたよ。私があの子たちを自由にさせたよ」って(笑)。小学1年生のときの話だから許してほしい。

清水 これも、白鳥さんの人柄をよく表したエピソードだよ。

江上 道を外れた正義感。